「妖者術」(ばけものじゅつ)とは、変装術のことです。
忍者の基本的な変装術に「七方出」があります。
これらの姿は諸国を自由に動き回っても怪しまれず、虚無僧や出家の笠のように顔を隠せたり、放下師や猿楽師、商人のように人に近づきやすいので、任務の際によく使われたといわれています。
●放下師(旅芸人)
●猿楽師(役者)
●山伏
●虚無僧
●出家
●商人
●常の形(武士や農民、町人など普段の姿)
「妖者術」(ばけものじゅつ)とは、変装術のことです。
忍者の基本的な変装術に「七方出」があります。
これらの姿は諸国を自由に動き回っても怪しまれず、虚無僧や出家の笠のように顔を隠せたり、放下師や猿楽師、商人のように人に近づきやすいので、任務の際によく使われたといわれています。
●放下師(旅芸人)
●猿楽師(役者)
●山伏
●虚無僧
●出家
●商人
●常の形(武士や農民、町人など普段の姿)
忍術は戦国時代に全盛期を迎えましたが、そこに至るまでには様々なものから影響を受けて成立しています。
孫子などの兵法・軍学と剣・体術などの武術をベースとして、修験道、密教、幻術、呪術、仙術、占星術、陰陽道、外国からの新技術などをその都度柔軟に取り入れて各地で発達したようです。
忍者が時間を知る方法として猫の目の瞳孔を利用したという記録があります。
「六つ丸く 五七は卵 四つ八つ柿の実にて 九つは針」
「六つ」はいわゆる「明け六つ」「暮れ六つ」のことで、日の出・日の入りの時刻を指します。当時は昼夜の長さをそれぞれ6等分して時刻を決めていたため、同じ時刻でも季節によって変わるのですが、「明け六つ」は今の時刻でいう4〜6時頃、「暮れ六つ」は午後の5〜7時頃となります。つまり、日の出・日の入りで辺りが暗い時間帯には猫の目は瞳孔が開いてまん丸になっているということです。
同じく「五つ」(6〜8時)、「七つ」(午後3〜5時)には少し瞳孔が閉じて卵形になります。
「四つ」(9〜10時)、「八つ」(午後1〜2時)には柿の実の形状に、「九つ」(12時頃)には瞳孔が閉じて針のように細くなります。
もちろん天候にも左右されますし、当時の日本は今と違って不定時法ですので、季節によって時刻も変わるのですが、晴れた日の屋外ではほぼ正確だということです。
忍者は天候を利用することも多く、様々な方法で天気を予測しました。
知らない敵地で天候を予測するには、地元の人に地形と雲の関係をよく聞くべきで、特に漁師、猟師、木こり、農民などは天気に詳しいといわれています。
●夕焼けの次の日は晴れになる。ただし、いつもより美しすぎたり、日の出が鮮やかすぎる時は一日たつと雨になることが多い。
●朝焼けは雨になる。
●山が近くに見えると雨になる。
●星がチラチラ瞬く時は翌日の天気は下り坂。
●太陽がかさをかぶると天気が崩れる。月にかかった時は雨になる。
●山の山頂を笠のように覆う笠雲が出たら6時間後に風雨になる。
●日暮れ時に空がえんじ色に染まると風が出る。
●夜霧が出れば翌日は大風が吹く。
●庭石がしめってくると雨になる。
●庭に夜露が多いと晴れ。
●朝、虹が西の空にかかると3日以内に雨が降る。夕方の虹は翌日晴れる。
●雲が西から東へ流れている時は天気はしばらくそのまま。北から南へと流れる時は、午後から次の日にかけて雨になる。南から北へ流れる時はすぐに雨が降り出す。
●朝の雷は雨になる。
●夜に遠くの音がよく聞こえると雨。
●太鼓の音が鈍いと雨の兆し。
●夕方、煙がまっすぐ上っている時は晴れ。風もないのに重そうにユラユラしている時は次第に天気は下り坂になる。煙が上の方でスーッと消えている時は晴れ。消えないで残っている時は雨か曇りになる。
桂男とは、月に住んでいるといわれている男のことで、桂男の術とは、この桂男のようにあらかじめ敵中に自分のスパイを潜り込ませておくことです。
ただし、常に敵中にいるために裏切られる可能性も高く、人選がとても大事になります。
できれば、敵にも味方にも顔が知られていない者で、才覚があって義理人情に厚い「智・信・勇」の備わった者を選びます。
また、万が一のために人質をとれるように、身寄りのない者は避けるべきとされています。
忍者はその技を悪用すればただの盗賊になってしまいますので、精神的な修行も大事で、正しい心を持った人間的にも優れた人物でなければなりません。
「武風一貫、花精竹性」とは、武芸者としての品格を身につけ、何事にもぶれることなく最後まで貫き通す強い精神力を養いつつも、花を思う優しい心と竹のようにまっすぐな真心を持った人間でなければならないという意味です。
いくつかの伝書の中にいわゆる「忍歌」と呼ばれる、忍びの極意を和歌にしたものが伝わっています。
これらは忍者に限らず、他の武道などでも同様の形式のものが残っているのですが、この忍歌の場合は、源義経の家臣とされる伊勢三郎義盛が詠んだとされています。
伊勢三郎義盛は盗賊の出身と言われ、義経がとった忍法の要素が強いゲリラ戦法に大きく影響しているものと思われます。
真実はわかりませんが、これらはおそらく義盛本人が詠んだものではなく、昔から伝わっていたものをいくつか集めて体系化した中で、その内容にふさわしい「義盛」の名をつけたものだと思われます。
「忍具」とは、忍者の使っていた様々な道具のことです。
主なものとしては、武器、火器(火薬を使う道具)、水器(水上や水中で使う道具)、登器(高い所に登るための道具)、開器(何かを壊したり開いたりする道具)、閉器(戸や障子などを開かないように閉じ込めるための道具)のほか、多種多様なものがあります。